1/2ページ目 「何ですか?」 「サルビアの花ってロマンチックよね」 「そうですか?」 「乙女心がわかってな〜い!」 「ボッカチオのデカメロンでは悲惨ですよ。サルビアの葉に付いたヒキガエルの毒でカップルが死んでますから」 「も〜〜、光子郎君は堅すぎなのよ。もっとサルビアについて調べたらいい方面の話も出て来るわよ」 「調べるよりミミさんに聞いた方が手っ取り早いですね」 「サルビアの花はね、若い女性に未来の夫を見せることが出来るって言われているのよ」 「成る程」 「ね、ロマンチックでしょ?」 「……まあ。で、ミミさんには誰かの姿が見えるんですか?」 そこでミミは不敵な笑みを浮かべた。 「誰だと思う?」 ここで自分かと訊けば自惚れだろう。 けれどミミの瞳が答えを教えるかのように真っ直ぐ自分を捕らえている。 「……………僕、ですか?」 「あったりー、流石光子郎君」 昔から変わらないミミのその無邪気さには完敗続きだが、彼女の笑顔を見ると完敗でもいいかと思えるから不思議だ。 けれど。 「好きですよ、ミミさん」 偶に反撃、というのもありかも知れない。 ミミの額に口付けを落としながら、ふとそんなことを考えた。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
[編集] |