1/2ページ目 それが桜の儚さから来るものなのか、出逢いと別れの季節だからなのかは…分からない。 「おはようございます」 「ウム、おはよう」 仕事は大変だけど楽しいし、友達もいる。 毎日が充実しているのに、心の中にぽっかりと穴が空いたみたい。 アイツ…元気にしてるかな? 「ヨ〜シ〜ノっ!」 「わっ! 美樹に恵……っ!」 2人共やけに楽しそうね。 「今夜合コンがあるんだけど、淑乃も来るわよね?」 「ええっ!? そんなの聞いてないけど?」 「予定ないでしょ? 行くって言っちゃったし」 「玉の輿のチャンスじゃない?」 「そ、それは…」 昔の私なら、すぐ誘いに乗ったと思う。 玉の輿に乗りたいって思ってた。 でも、今は……… 「合コンがダメなら、僕とディナーでもいかがですか?」 「はい?」 なんでトーマがここにいるのよ!? 「ど、どっちもお断りよっ! 特に用事はないけど、行く気になれない……」 なぜだか逃げたくなる上に、アイツの顔が浮かぶ。 今日は厄日なの? 「ぷっ、あはははは!!」 「冗談よ、合コンなんてないわ」 「ちょっとは気分転換になりました?」 「へっ………?」 気分転換って、どういうこと? 「淑乃が元気ないから、元気出るようにからかっただけよ」 「やっぱり遠くに離れた人を想うのって辛いもんね」 「べ、別に大のことなんて、なんとも思ってないし…」 「いや、大とは限定してませんけど…」 …………ああもう。 今日は本当に厄日かも知れない。 でもまあ、みんなの気遣いは有り難かった。 大を想うのが嫌なわけじゃないけど、待ってるだけだと気が滅入る。 たまにはこんなことも、いいかも知れない。 「淑乃さん」 「何?」 「大なら、きっと元気にしてますよ」 ……だからそれは止めて。 アイツの話題を振られると、何故か逃げたくなる。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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