1/2ページ目 「えっ…?」 突然の話に小百合は言葉を失った。 デジタルワールドに行くということは……… 「…すまない…当分は、帰れない。それどころか、帰りがいつになるかも分からない…」 「英さん…」 「いってきてよ!!」 その言葉を発したのは、まだ幼い息子だった。 「大…」 「おとうさんはすごいことするんでしょ? だったらいってきて! おとうさんがいないあいだは、オレがチカとおかあさんをまもるから」 英は膝を折って大と視線を合わせた。 「そうか…大が知香と母さんを守ってくれるのか。そいつは頼もしいなぁ…」 「うん、まかせてよ!!」 「大、今日はもう遅いから早く寝なさい」 「しっかり体力をつけないとな?」 「うん」 大が寝床に戻り、再び2人だけとなるリビング。 「英さん…」 「…………」 「私はあなたを信じてる。絶対に帰って来てくれるって」 「…ありがとう、小百合」 英は小百合を抱き寄せ、そっと唇を重ねた。 大切な人のぬくもりを、いつまでも忘れないために。 愛する人の想いを、ずっと刻み込んでおくために。 「必ず、帰って来るよ…」 「ええ。ずっとずっと待ってる」 気高い勇気は星のあかり (伝えることもまた、ひとつの勇気) <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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