1/2ページ目 「………………」 男2人で喫茶店に入り、注文以外は無言続き。 決してデートしている訳ではない。 「……なぁ、輝一」 「何?」 痺れを切らしたかのように一方の少年が声を掛け、向かい側に座っている輝一と呼ばれた少年が応じる。 「実際……どうなってるんだ?」 「…それは……俺も知らないんだ」 「まじかよ!?」 「まじなんだよ!!輝二ってば泉のことは何にも話さないし、訊いたら話題逸らすんだ!!」 「泉も輝二とどうなのかちっとも話さないし、訊いたら『拓也も彼女ぐらい作りなさいよ』とか言ってくるんだ!」 なにやらズレた会話をする少年2人。 近くのカップルが、『人の恋愛に首を突っ込むな!』という目で睨んでも全く気付いていない。 「輝二の奴、最近かわすの上手くなったのか?」 「そうなんだよ!俺の口説きも泣き落としも通用しないし、でも冷たい訳じゃないんだ」 悲痛な目で訴える輝一に対し、拓也は顔をやや引きつらせた。 うわ、輝一ってば、泣き落としまでするんだ。 それでも通じないって……輝二はどんだけ手強いんだ? 「泉はどうなんだ?」 思考から現実に引き戻された拓也は、苦虫を噛み潰した顔をした。 「男は女に口じゃ勝てないんだ…」 かくして、恋の行方は本人達しか知らない。 (教えてくれたっていいじゃんか!!) <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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