1/2ページ目 急いでいる時に限って、忘れ物をした。 そして戻った教室には、ふたり分の影。 その片方が私の好きな人で、もう片方は私と正反対の可愛い女の子。 「………八神君が好きです!!」 やっぱり帰ろうと踵を返した時、聞きたくなかった言葉が聞こえてしまった。 もし、太一が断らなかったら…? ほんの少し想像しただけで、鋭い痛みが走った。 太一の傍に居られなくなるかも知れないという不安、そして気持ちを伝えることができる彼女への、嫉妬と羨望。 幼なじみの壁を超える勇気なんて、私にはなかった。 「空、おはよう!」 「おはよう、太一」 翌日、太一は何事もなかったかのように話し掛けてきた。 一晩考えた末、私は結論を出した。 「サッカー部の試合って、次はいつなの?」 「えーっと、再来週の日曜だな。空、応援に来てくれるのか?」 「そうね。予定は特にないし、行くわ」 ちゃんと笑えてるかな? 微かな不安は、私の大好きな笑顔に消し飛ばされた。 「試合、楽しみにしてろよ」 「うん!」 あの女の子にはヤキモチを妬いたけど、妬いてるだけじゃダメっていうのが私の出した結論。 素直になれば、少しでも進展するかも知れない。だから、素直になるわ。 だって好きだから <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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