1/2ページ目 早いな。 「……よしっ!」 お気に入りの髪留めを付けて、鏡の前で最終確認。 忘れ物はなし。 「行ってきまーす!」 待ち合わせ場所に来ていたアイツに声を掛ける。 「たーいち」 「空……あっ、それ………」 「11年前、太一がくれたプレゼントよ」 「……えーっと、帽子も似合うけど、その髪留めも…似合ってるよ…」 「……うん、ありがとう」 「…あのさぁ……」 「何?」 「誕生日おめでとう。………でも、空に何あげたらいいか、分かんなくって…プレゼント、用意できてないんだ……」 そこでちょっとヘコむ太一が何だか可愛く見えた。 「プレゼントは要らないわ。太一からの気持ちがあるなら」 喧嘩じゃなくて、一緒にいられる幸せ。 帽子じゃなくて、太一に貰った髪留め。 それが、今の私が持っているもの。 「あっ…これから見に行って、空の欲しいもの買うってのはどうだ?」 「……それもいいわね」 平和な世界に感謝しながら、キミと一緒の幸せを噛みしめよう。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
[編集] |