1/2ページ目 「はい」 キャンディやチロルチョコの入った可愛い袋が差し出される。特別凝ってはいないけど、ただ渡すだけじゃなくてラッピングまでしてくれる気遣いが嬉しい。お兄ちゃんならそのままぽんと渡しそうだもの。 「ありがとう、タケル君」 「Trick or Treat」 予想はしていたけど、同じ言葉を返されて少し緊張する。 「あのね」 「どうしたの?」 「お菓子なんだけど……」 「もしかして、持ってない?」 「う、ううん! ……あの、ちょっと屈んでもらってもいい?」 「? うん」 目線を合わせるように屈んだタケル君の唇に、自分のそれをそっと重ねる。ぴくりと小さく震えた唇の隙間に舌を滑り込ませて絡めれば、彼もそれに応えてくれた。 「はあ……っ」 「大丈夫?」 こくりと小さく頷く。自分で仕掛けた事なのに、力が抜けて彼に支えてもらっている。 「ヒカリちゃんってさ」 「ん?」 「たまに、すごく大胆だよね」 「そう……?」 「うん、普段と全然違うよ」 行事に背中を押してもらえるから、時には大胆にもなれる。 「お菓子の代わりに……これじゃダメ?」 「…………もっとほしいな」 その言葉を合図に、再び唇が重なった。今度は唇を啄むように細かく動いて吸い合う。 どんどん力が抜けていく私をしっかり支えて、彼が舌を絡ませた。熱くて甘い、とろけるようなキスが、最高級のお菓子。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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