1/2ページ目 蝶が飛んでいる。陽の光を反射してきらきらと輝く羽の色はよく分からない。淡いような濃いような、そんな不思議な色。怪我をしているのか、時々ふらついて、それでも飛ぶその蝶は、白い天使の羽根を落としていった。 私は最初から決まっていたかのようにその蝶を追いかける。理由を考える余裕もないくらい必死に、見失わないように全力で。 ――…………ら。そぉーらぁ。 「ピヨモン?」 天使の羽根が手に舞い降りる。 ――ソラ! 行かないで! 「ピヨモン! ピヨモーン!」 はっと気づいたそこは、見慣れた自分の部屋だった。非現実的なのに妙にリアルで、夢の中で聞いたピヨモンの声が耳にこびり付いている。 「ソラ、おはよう」 声を掛けてきたピヨモンはいつもと変わらなくて、思わず安堵の溜め息が零れた。 「おはよう、ピヨモン」 あの蝶が何だったのか、何故私は蝶を追いかけたのかは分からない。でもきっと、忘れない。忘れてはいけない気がする。 「いい天気ね」 眩しくて強い朝の光が部屋に射し込む。その陽射しの中にヒラリと舞い上がる蝶と、白い羽根が見えた気がした。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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