1/5ページ目 「それは昼間。6時には閉店するから、その後逢えないか?」 そう尋ねる彼女の頬を赤く染めているのは、寒さと照れの両方だろう。雪こそ降っていないものの、今日は寒い。 「ああ。どこに行きたい?」 「どこでもいいよ。ランティスと一緒に過ごせるなら」 「考えておく」 「ありがとう。あ、それと……お誕生日おめでとう」 ヒカルが鞄から取り出した包みを受け取る。紙袋の中身は軽く柔らかい。 「開けてもいいか?」 「うん」 無地のシンプルな黒い手袋が顔を出す。はめてみると、まるで測ったようにぴったりだった。 「ありがとう、ヒカル」 「どう致しまして」 手袋を外し、片手を頬に添えて抱きしめる。これ以上冷えないように。 「あったかい……」 照れたような笑顔が愛しくて、そっと額に唇を落とした。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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