1/5ページ目 異界の扉が開くと、フェリオにもなんとなく分かるようになった。愛しい人の波動を感じ取るのかもしれない。 「フウ!」 「こんにちは、フェリオ」 「今日はガッコウの日だろう? 俺に逢いたくてサボったなんてことは……」 「ありませんわ」 身も蓋もない。こういう食えないところは出逢った頃から変わっていない。 「今日は試験の最終日だから早く終わりましたの。それに……」 「それに?」 「少しでも早く、フェリオに逢いたかったんです」 ずるいとか、反則という言葉はこういう時に使うのだろう。そんなに可愛い笑顔で、可愛いことを言う風が悪いのだ。 だから、彼女の唇を奪って然るべきだと思う。 「フェリオっ! こんなところで……」 「あんまり可愛い顔をするな。我慢できなくなる」 聡明な彼女も恋愛においては経験の浅さが垣間見える。そんなところも可愛いと言う代わりに、フェリオはもう一度彼女に口付けた。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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