1/4ページ目 白いため息と共に吐き出された呟きが夜の闇に吸い込まれていく。 Black X'mas 街が鮮やかに彩られ、誰もが少しばかり浮かれている中を一組の男女が歩いている。 男の名は山木満雄。 浮かれる周りと正反対に不機嫌そうなのは、彼が室長を務めるヒュプノスのコンピュータにウィルスが現れたのが主な原因だ。 折角のクリスマス、しかも麗花と食事の予定があるこの日に現れなくてもいいと思う。 「メリークリスマス!」 「只今、クルモンパンを探せ!やってま〜す」 「ウォー○ーを探せか……」 「あら、ウォー○ーに比べれば見つけ易いんじゃない?」 麗花が常連として通っているパン屋、松田ベーカリーの前で客引きをしていたのは、松田啓人と加藤樹莉だった。 クリスマス故か、2人共サンタの格好をしている。 「こんばんは」 「あっ、まいど!今日も仕事だったんですか?」 「ちょっとね」 たくさんあるダミーの中から本物を見つけられた人にお好きなパンをプレゼント、らしいので麗花が挑戦。 見事本物を見つけ出し、オマケのパンもしっかり貰って来た。 「まだ怒ってるの?」 「…ちょっとな」 帰り道、いまだに山木の機嫌は斜めのままだった。 「君はいいのか?」 「私は…あなたと居られれば、仕事でもいいから…」 「そうか……」 漸く機嫌が直ったらしい。 白い雪がちらちらと舞う中を、2人はゆっくりと歩いて帰った。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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