気高い勇気は星のあかり
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「今度、デジタルワールドに行くことになったんだ…」

「えっ…?」

突然の話に小百合は言葉を失った。
デジタルワールドに行くということは………

「…すまない…当分は、帰れない。それどころか、帰りがいつになるかも分からない…」

「英さん…」




「いってきてよ!!」

その言葉を発したのは、まだ幼い息子だった。

「大…」

「おとうさんはすごいことするんでしょ? だったらいってきて! おとうさんがいないあいだは、オレがチカとおかあさんをまもるから」

英は膝を折って大と視線を合わせた。

「そうか…大が知香と母さんを守ってくれるのか。そいつは頼もしいなぁ…」

「うん、まかせてよ!!」

「大、今日はもう遅いから早く寝なさい」

「しっかり体力をつけないとな?」

「うん」

大が寝床に戻り、再び2人だけとなるリビング。

「英さん…」

「…………」

「私はあなたを信じてる。絶対に帰って来てくれるって」

「…ありがとう、小百合」

英は小百合を抱き寄せ、そっと唇を重ねた。
大切な人のぬくもりを、いつまでも忘れないために。
愛する人の想いを、ずっと刻み込んでおくために。

「必ず、帰って来るよ…」

「ええ。ずっとずっと待ってる」




気高い勇気は星のあかり


(伝えることもまた、ひとつの勇気)
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