愛と感謝と言えない言葉
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でも両方共、気持ちとして伝えられると嬉しい。
愛と感謝と言えない言葉
「これ、ラブレターよね………？」
下駄箱に入っている封筒。
連絡事ならメモ帳やルーズリーフで十分だし、わざわざ封筒に入れたりしないと思う。
私には恋人がいるから、ラブレターでも呼び出しの手紙でもさっさと断りたい。
「泉」
びくっと肩が震える。
このタイミングの悪さは何？
「輝二…」
「待ったか？」
「ううん…」
慌てて手紙は隠したけど、動揺は隠せない。
輝二は私がラブレターもらったって言ったら、どう思うかな？
「泉…」
「何？」
沈黙が続くのは珍しい。
いつもはだいたい私が話すけど、今日はラブレターのことが気になって話題が浮かばない。
「下駄箱に入ってた手紙、絶対に家で読め」
「はい？」
どういうこと？
「外で音読なんてされると俺が恥ずかしいから、目読しろよ」
輝二だったの？
「なんで手紙にしたの？」
「今日は……ラブレターの日だって聞いたから…………」
「誰に？」
「…輝一」
輝一君ってそういうの詳しいのかな？
「ありがとう、輝二。私、何もしてないけど」
「別にいい。俺が書きたかっただけだから」
「それじゃあ納得いかない。今年はもう書けそうにないけど、来年は今年の分も含めて書くから」
そう言うと輝二は小指は差し出した。
私も小指を差し出して絡める。
「約束な」
「うん、約束」
えっ、輝二は手紙に何て書いてたのかって？
それは内緒。
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