恋人は心配性
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ただでさえ可愛い。
お洒落な格好で出歩けば、僕がいてもいなくても、振り返ったり見惚れたりする男は普通にいる。
更に厄介なことに、彼女本人は全く気付いてない。


「タケル君、あのお店入ってもいい?」

「いいよ」

店の中でも視線を感じる。
いちいち彼女に注目しないでほしいよ。
これじゃあデートを楽しめない。

「タケル君」

悶々としている僕を、彼女の声が現実に戻す。

「何?」

「これ、どうかな?」

ヒカリちゃんが持っているのはアサガオの飾りが付いた髪ゴム。
薄いピンク色が似合って可愛いと思う。

「可愛いね。髪型変えるの?」

「うん。最近髪が伸びてきたから、くくった方がいいかな〜って…」

確かに最近、昔に比べたら長くなったと思う。
見ると、他にも飾りの付いた髪ゴムがたくさんあった。


「うーん……………これなんてどう?」

「あっ、ガーベラね。それも可愛いなぁ」

「これが一番いいと思うんだ」

「ほんとに? じゃあ、これにする!」

ガーベラには、2つ花言葉があるんだ。
1つは神秘。
神秘的なヒカリちゃんにぴったりだよね。
そしてもう1つは、希望。
君が可愛くなる度に心配するけど、誰にも渡さないよ。
いつだって、君の傍にいるから。
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