付かず離れず
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 放課後のざわめきの中、隣のクラスの女の子に声を掛けられる。委員会の予定をわざわざ伝えに来てくれたその子にお礼を告げ、教室から姿を消した彼女を慌てて追いかけた。

「ヒカリちゃん、一緒に帰ろう!」
「タケル君? さっきの子はもういいの?」
「いいよ。話は終わったから」
「ふーん」
 含みのある視線が気になる。
「何? 僕、変なこと言った?」
「別に」
「気になるよ」
「……タケル君って」
 少し間を置いて彼女が話し出す。
「モテるのね」
「え…………?」
 彼女の言葉を理解した途端、焦りが生まれる。
「別に、そんなんじゃないよ」
「隠さなくていいのに」
「委員会が一緒なだけだよ」
「そうなの?」
「そう」
「そっか」
 何だか安心したように見えるのは気のせいかな?
「ヒカリちゃんはさ」
「ん?」
「好きな子とか、いないの?」
「…………」
「ヒカリちゃん?」
「ナ・イ・ショ。じゃあまたね」
 いつもの別れ道よりも手前で自転車に乗ったヒカリちゃんは、振り返りもせずに走り去った。この反応は期待してもいいんだろうか。
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