1/20ページ目 淡く感じていた気持ちに素直になれず、「この帽子が似合わないってこと?」なんて可愛くない言い方をしてしまった。当然喧嘩になって、しばらくはお互い気まずくて。そんなほろ苦い喧嘩も、今となってはいい思い出。……だと、私は思う。 「空、誕生日おめでとう」 「ありがとう」 可愛らしい包みを開くと、ひまわりの花の飾りが付いたシュシュが現れた。 「これ……」 「今でも使ってくれてるのは嬉しいけど、それももう古いし……最近、髪伸びただろ?」 「……うん」 正直言うと、今は髪を伸ばしてる。ミミちゃんやヒカリちゃんほど綺麗な髪じゃないけど、オシャレしたくて髪のケアも色々気を付けてはいた。 でも、太一からもらったシュシュで髪をくくるのは相当緊張する。付き合いの長さから考えても、私に似合わないものを太一が選ぶはずはないって分かってるけど、初めて着た服や着けたアクセを見てもらうのはいつもドキドキする。 「ど、どう?」 「……よく似合ってる」 「ありがとう、太一」 あの時は言えなかったけど、今なら素直に好きといえる。 「大好き」 「俺も大好き」 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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